猫の大麻・THC中毒:神経症状・尿失禁・低体温症の危険と動物病院での救命法

猫の大麻(カンナビノイド・THC)中毒は、乾燥大麻、電子タバコのリキッド、エディブル(大麻クッキー等)の誤食や煙の受動吸入により発生する急性神経救急疾患です。テトラヒドロカンナビノール(THC)は高い脂溶性を持ち、猫の中枢神経系に豊富に存在するCB1受容体に結合して重度の神経抑制、低体温症、徐脈を引き起こします。

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このガイドは獣医師の代わりにはなりません。夜間・救急動物病院
動物病院で神経学的検査と意識レベルの確認を受ける猫
Foto: Nekolife
このガイドの内容

1. THCの体内動態と猫の感受性

THCは経口摂取または呼吸器から速やかに吸収され、脂肪組織や脳に高濃度に沈着します。猫は小脳や脳幹におけるCB1受容体の密度が高く、グルクロン酸抱合能が低いため、排泄に24〜48時間以上を要します。

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2. 主な誤食・曝露経路

室内での乾燥植物片の摂取、エディブル(高濃度大麻バター使用菓子)、高濃度リキッドの舐小、換気の悪い密室での受動喫煙が主な原因です。

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3. 臨床症状:ふらつきと不随意尿漏れ

摂取後30〜90分で歩行困難(千鳥足)、瞳孔散大、物音への過剰反応、そして膀胱括約筋の弛緩による持続的な尿漏れ(失禁)が頻発します。

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4. 救急診断と問診の重要性

診断は臨床症状と飼い主様からの正直な情報提供に基づきます(獣医師に通報義務はなく、正確な申告が救命につながります)。不凍液中毒との鑑別が重要です。

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5. 集中治療と静脈内脂肪乳剤(ILE)

保温マットでの加温と排泄促進の輸液を行います。意識障害や昏睡を伴う重症例では、20%静脈内脂肪乳剤(ILE)を点滴して血中THCを吸着・除去する「リピッドシンク療法」が極めて有効です。

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出典・学術的参考文献

  • Meola, S. D., et al. (2012). Marijuana toxicosis in dogs and cats. J Vet Emerg Crit Care, 22(6), 690-696.
  • Brutlag, A., & Hommerding, H. (2018). Toxicology of marijuana in dogs and cats. Vet Clin North Am Small Anim Pract, 48(6), 1087-1102.
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