猫白血病ウイルス(FeLV)と猫免疫不全ウイルス(FIV):正しい知識とケア
動物病院のウイルス検査でFeLV(猫白血病ウイルス)やFIV(猫免疫不全ウイルス、通称「猫エイズ」)の陽性判定を受けると、多くの飼い主様が絶望的な気持ちになります。しかし、陽性判定は決して即座の余命宣告ではありません。
このガイドは獣医師の代わりにはなりません。

このガイドの内容
1. FeLVとFIVの比較:感染経路と病態
| 項目 | FeLV(猫白血病ウイルス) | FIV(猫免疫不全ウイルス) |
|---|---|---|
| ウイルスの種類 | ガンマレトロウイルス | レンチウイルス(ヒトHIV類似) |
| 主な感染経路 | 唾液・毛づくろい・食器共有(「仲良し感染」) | 深い咬傷・流血(「ケンカ感染」) |
| ワクチンの有無 | あり(外に出るリスクのある猫に推奨) | 日本国内では流通停止・未承認が主流 |
| 陰性猫との同居 | 原則推奨しない(ワクチン接種が前提) | 去勢済みでケンカがなければ可能 |
| 主な重篤症状 | 再生不良性貧血、リンパ腫、白血病 | 免疫力低下による難治性口内炎、日和見感染 |
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2. 検査キット(SNAPテスト)の読み解き方
病院内で行う迅速抗原・抗体検査の特徴:
- FeLV検査: ウイルスのタンパク質そのものである「p27抗原」を検出します。陽性の場合は1〜2ヶ月後にPCR検査を行い、一過性感染(排除)か持続感染かを見極めます。
- FIV検査: 猫が作った「抗体」を検出します。生後6ヶ月未満の子猫は母猫からの移行抗体で偽陽性が出ることがあるため、生後6ヶ月を過ぎてから必ず再検査が必要です。
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3. 発症を防ぎ長生きさせるための飼育ルール
- 完全室内飼育の徹底: 外部の病原体との接触を断ち、地域猫への感染拡大を防ぎます。
- 生肉食の厳禁: 免疫力が低下している猫に生肉を与えると、サルモネラ等の細菌感染で命を落とす危険があります。
- 半年に1回の健康診断: 血液検査や尿検査を定期的に行い、口内炎や体重減少に迅速に対処します。
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4. 緊急で動物病院を受診すべき症状
ウイルス陽性の猫は免疫が不安定なため、以下の異変があれば直ちに救急動物病院へ連れて行ってください:
- 突然の高熱(39.5℃以上)または著しい低体温(37.5℃未満)。
- 歯茎が真っ白(重度貧血)、または黄色い(黄疸)。
- 呼吸困難、開口呼吸、または24時間以上の完全絶食。
お近くの救急対応病院は 救急動物病院検索 からご確認いただけます。
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科学的根拠と参考文献 {#参考文献}
- AAFP(米国猫臨床家協会): Feline Retrovirus Management Guidelines (FeLV and FIV).
- European Advisory Board on Cat Diseases (ABCD): Guidelines on Feline Leukemia Virus and Feline Immunodeficiency Virus Infections.
- Journal of Feline Medicine and Surgery: Long-term outcome and clinical management of retrovirus-positive cats.
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