猫の緑内障:眼圧亢進・角膜浮腫・失明リスクと救急眼科治療ガイド
猫の緑内障は、房水の流出障害によって眼圧(IOP)が正常値(通常15〜25mmHg)を大幅に超えて病的に上昇(>25〜30mmHg以上)する救急眼科疾患です。眼圧上昇が続くと網膜神経節細胞や視神経が圧迫され、発症から24〜48時間以内に不可逆的な完全失明に至る深刻な危険があります。
このガイドは獣医師の代わりにはなりません。夜間・救急動物病院

このガイドの内容
1. 緑内障の病態:房水循環の破綻
毛様体で産生された房水は瞳孔を通って前房へ流れ、隅角(線維柱帯)から眼外へと排出されます。炎症産物や腫瘍細胞によって隅角が閉塞すると房水が溜まり続け、眼球内の圧力が急上昇して視神経乳頭を押し潰します。
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2. 猫に多い続発性の原因
猫の原発性緑内障は極めて稀です。最も多いのは慢性前部ぶどう膜炎(FIP、猫エイズ、猫白血病、トキソプラズマ等に関連)であり、次いで眼内腫瘍(虹彩黒色腫、リンパ腫)や水晶体前方脱臼が挙げられます。
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3. 臨床症状の見分け方
角膜が白っぽく霞む(角膜浮腫)、瞳孔が開ききってライトを当てても縮小しない、白目の血管が太く赤く浮き出る、進行期には眼球が異常に拡大する(牛眼)などの症状が現れます。
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4. トノメトリーによる眼圧測定
リバウンドトノメーター(TonoVet)により、点眼麻酔なしで瞬時に痛みを伴わず正確な眼圧(mmHg)を測定します。30mmHg以上の場合は即座の救急処置が必要です。
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5. 緊急点眼治療と外科的処置
治療の第一選択は炭酸脱水酵素阻害薬(2%ドルゾラミド点眼)の1日3回投与です(犬で多用されるラタノプロストは猫での効果が弱くぶどう膜炎を悪化させる恐れがあるため慎重を要します)。視力が失われ痛みが持続する重症牛眼では、痛みを根治するために眼球摘出術が推奨されます。
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出典・学術的参考文献
- Maggs, D. J., et al. (2018). Slatter's Fundamentals of Veterinary Ophthalmology, 6th ed. Elsevier.
- McLellan, G. J., & Miller, P. E. (2011). Feline glaucoma—a comprehensive review. Vet Ophthalmol, 14(s1), 15-29.
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